ELBOW PAIN
肘の外側・内側の痛み、引っかかり感、小指のしびれ——
スポーツや日常生活での繰り返し動作、加齢、外傷などが原因で起こります。
肘は物を持つ・押す・投げるなど多くの動作に関わるため、痛みが長引くと日常生活やスポーツに大きく影響します。気になる症状はお早めに北千住整形外科へご相談ください。
CHECK
肘の痛みは、スポーツや日常生活での繰り返し動作、加齢、外傷などが原因で発生します。
早期に適切な診断と治療を行うことで、症状の改善と再発予防が可能です。
CAUSES
肘の痛みは、スポーツや日常生活での繰り返し動作、加齢、外傷などが原因で起こります。代表的な疾患には以下があります。
上腕骨外側上顆炎(テニス肘):肘の外側にある腱が炎症を起こし、手首や肘の動作で痛みが出ます
上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘):肘の内側に炎症が起こり、ゴルフや投球動作などで痛みが出ます
野球肘(外側型・内側型・後方型):投球動作で肘関節に過度な負担がかかり、骨や靱帯、軟骨に損傷が起こります
肘部管症候群:肘の内側を通る尺骨神経が圧迫され、小指や薬指のしびれが出ます
肘内障(小児):幼児の橈骨頭が外れかける亜脱臼です。腕を急に引っ張るなどで発症します
変形性肘関節症:加齢や外傷後に関節が変形し、動かしにくさや痛みが出ます
肘頭滑液包炎:肘後方の滑液包が炎症を起こし、腫れや痛みが生じます
DISEASES
肘の外側の腱の炎症。テニス以外の日常動作でも起こります
肘の外側にある腱や筋肉(特に手首を反らす伸筋群)が繰り返し負荷を受けて炎症を起こす疾患です。テニス選手に多く発症することから「テニス肘」と呼ばれますが、実際にはテニス以外のスポーツや日常生活の動作でも発症します。
問診・診察で痛みの出る動作や使用頻度を確認し、エコー検査で腱や靭帯の炎症・断裂の有無をリアルタイムに確認します。慢性化した損傷や合併病変が疑われる場合はMRI検査で評価します。
薬物療法(消炎鎮痛薬)で炎症や痛みを抑え、理学療法(リハビリ)で伸筋群のストレッチや前腕筋の筋力強化、フォーム改善を行います。痛みが強い場合は注射療法(局所麻酔薬やステロイド)、腱への負担軽減には装具療法(エルボーバンド)を用います。保存療法で改善しない慢性例では、PRP療法などの再生医療が選択肢となる場合があります。
肘の内側の腱の炎症。スイングや投球、握る動作で痛みます
肘の内側にある腱や筋肉(特に手首を曲げる屈筋群)が繰り返し負荷を受けて炎症を起こす疾患です。ゴルフのスイング動作で発症することが多く「ゴルフ肘」と呼ばれますが、実際にはゴルフ以外のスポーツや日常動作でも起こります。
問診・診察で痛みが出る動作やスポーツ・生活動作の内容を確認し、抵抗をかけて手首を曲げた際の痛み(ゴルファーズテスト)や圧痛部位を確かめます。エコー検査で腱付着部の炎症や損傷をリアルタイムに確認し、必要に応じてMRI検査で損傷範囲や合併病変を評価します。
保存療法を中心に行います。薬物療法で炎症と痛みを抑え、物理療法(温熱療法・低周波治療)で血流改善を図り、理学療法(リハビリ)で屈筋群のストレッチ、前腕筋の強化、フォーム改善を行います。痛みが強い場合は注射療法、負担軽減には装具療法(エルボーバンドやサポーター)を用います。慢性化した場合はPRP療法などの再生医療が選択肢となることがあります。
投球動作の繰り返しによるスポーツ障害。成長期は特に注意が必要です
投球動作の繰り返しによって肘関節に過度な負担がかかり、痛みや損傷を引き起こすスポーツ障害です。誤ったフォーム、過剰な投球数、不十分な休養が主な原因となります。特に成長期の選手では骨や軟骨が未発達なため、発症リスクが高くなります。
外側型
肘の外側にある上腕骨小頭や橈骨頭の軟骨・骨が損傷。代表的疾患は離断性骨軟骨炎(OCD)。放置すると関節内遊離体(関節ねずみ)や可動域制限を引き起こすことがあります。
内側型
投球時の外反ストレスで内側側副靱帯(UCL)が損傷。内側上顆骨端線障害(リトルリーグ肘)も含まれます。重症例では不安定性が残り、手術が必要となることも。
後方型
投球動作の終末期に肘の後方へ負荷が集中し、上腕骨後方に骨棘や疲労骨折が生じます。可動域制限や痛みの持続につながります。
問診・診察で投球歴、痛みが出るタイミング、フォームなどを確認し、徒手検査で肘の安定性・可動域・痛みの再現性を評価します。X線検査で骨の変化や骨端線障害、離断性骨軟骨炎の有無を確認し、エコー検査で靱帯や軟骨の損傷・炎症をリアルタイムに確認します。必要に応じてMRI検査で詳細を評価します。
投球制限・安静で一定期間投球を休止し、炎症や損傷の回復を促します。薬物療法で炎症と痛みを軽減し、理学療法(リハビリ)では肩甲骨・肩・体幹・下肢を含めた全身の動作改善と正しいフォームの習得を行います。離断性骨軟骨炎の高度例や靱帯完全断裂など、保存療法で改善が得られない場合は手術(骨片固定、靱帯再建術など)が検討されるため、連携する医療機関をご紹介します。
肘の内側で尺骨神経が圧迫され、小指や薬指のしびれが出る疾患
肘の内側にある「肘部管」というトンネル状の部分で尺骨神経が圧迫されることで発症します。小指や薬指のしびれ・痛みが特徴で、進行すると手指の筋力低下や変形につながることもあります。
問診・診察でしびれや痛みの範囲、進行のスピードを確認し、肘部管を軽く叩いて症状が誘発されるか(チネル兆候)などの徒手検査で診断を補助します。X線検査で骨の変形や肘関節の異常を確認し、エコー検査で神経の圧迫や周囲組織の状態をリアルタイムに確認します。必要に応じてMRI検査で圧迫部位や原因の詳細を評価します。
保存療法を中心に、症状の改善と再発予防を目指します。薬物療法(消炎鎮痛薬・ビタミンB12など)で神経症状を軽減し、装具療法(夜間副子)で肘の屈曲を制限して神経への負担を減らします。理学療法(リハビリ)では肩・肘・手首の動作改善や神経ストレッチを行います。神経の圧迫が強く、筋力低下や変形が進行している場合は手術(除圧術・神経移行術)が検討されるため、連携する医療機関をご紹介します。
腕を引っ張った拍子に起こる、幼児に多い肘の亜脱臼
橈骨頭が靱帯から外れかけた状態、いわゆる亜脱臼です。肘の靱帯がまだ柔らかい1〜5歳ごろの幼児に多くみられます。成長とともに靱帯が強くなるため発症しにくくなりますが、一度起こすと繰り返すことがあるため注意が必要です。手を強く引っ張った、転びそうになった子どもを腕を掴んで支えた、着替えや遊びの中で腕がひねられた——といった場面で起こりやすく、特別な外傷がなくても発症することがあります。
問診・触診で発症状況と肘の位置・動きを確認します。X線検査は通常必要ありませんが、骨折の可能性がある場合には実施します。治療は徒手整復で橈骨頭を靱帯内に戻す処置を行い、多くの場合その場で腕を動かせるようになります。整復後の固定は通常不要ですが、繰り返しやすい場合には数日間の軽い固定を行うこともあります。
軟骨のすり減りと関節の変形で、曲げ伸ばしがしづらくなる疾患
肘関節の軟骨がすり減り、関節が変形して痛みや可動域制限を起こす病気です。加齢のほか、骨折や脱臼などの外傷後、スポーツや労働での繰り返しの負荷が原因となります。症状が進行すると肘の曲げ伸ばしがしにくくなり、日常生活や仕事に支障が出ることがあります。
問診・診察で症状の経過、可動域制限、日常生活動作への影響を確認します。X線検査で関節の狭小化、骨棘形成、変形の程度を評価し、エコー検査で滑膜炎や関節内の状態をリアルタイムに確認します。関節内遊離体(関節ねずみ)や詳細な変形状態の確認が必要な場合はCT・MRI検査を行います。
保存療法を中心に行います。薬物療法で炎症と痛みを抑え、理学療法(リハビリ)で可動域を維持・改善するストレッチや関節周囲筋の強化を行います。症状が強い場合は注射療法(ヒアルロン酸で関節の動きを改善、ステロイドで炎症を一時的に抑制)を行うことがあります。保存療法で改善が得られず、可動域制限や痛みが強い場合は関節鏡手術や人工関節置換術が検討されるため、専門医療機関をご紹介します。
肘の後ろがこぶのように腫れて、熱感や痛みを伴う疾患
肘の後方(肘頭部)にある滑液包という袋状の組織が炎症を起こし、腫れや痛みを生じる疾患です。滑液包は関節や骨の突出部で摩擦を減らすクッションの役割を果たしています。転倒などで肘をぶつけた外傷のほか、机や床に肘を長時間つく習慣などの慢性的な圧迫、傷口からの細菌感染、痛風や関節リウマチとの関連で発症することもあります。
問診・診察で腫脹・発赤・熱感・圧痛の有無を確認します。外傷歴がある場合はX線検査で骨折や骨棘の有無を確認し、エコー検査で滑液包内の液体貯留や炎症の程度をリアルタイムに評価します。感染が疑われる場合は滑液を採取して細菌検査(穿刺液検査)を行います。
肘への負担を避け、サポーターやパッドで圧迫固定する安静・圧迫と、薬物療法(消炎鎮痛薬)で炎症や痛みを軽減します。腫れが強い場合は滑液包内の液体を穿刺排出し、必要に応じてステロイド注射で炎症を抑えます。感染性の場合は抗菌薬治療を行い、重度の場合は滑液包切除術が検討されるため、専門医療機関をご紹介します。