LEG NUMBNESS
脚がジンジン・ビリビリする、片脚だけしびれる、歩くと脚がだるくなる——
腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、神経や血流に関わる疾患が隠れている可能性があります。
脚のしびれには、力が入りにくくなる「運動麻痺」と、正座の後のようなジンジン・ビリビリ・チクチクとした「感覚異常」があります。片脚だけに現れることも、両脚に出ることもあり、いずれも脳・脊髄・神経・血流に関わる病気が背景にある可能性があります。気になる症状がある方は、お早めに当院へご相談ください。
CHECK
CAUSES
末梢神経障害:総腓骨神経麻痺、足根管症候群、外側大腿皮神経障害 など
内科的疾患:糖尿病性神経障害、ビタミン欠乏 など
血流障害:閉塞性動脈硬化症 など
脳・脊髄の病変:まれに脳や脊髄の病気が背景にあることも など
こんな場合は特に注意が必要です
正座の後のように短時間で自然に治まるしびれは心配いりませんが、しびれや痛みが数日以上続いている/徐々に悪化している/何度も繰り返している/歩行が困難になる・力が入らない・転びやすくなった——このような場合は、原因となる疾患の早期発見・治療が重要です。当院ではX線検査や血液検査、必要に応じてMRI検査を組み合わせて原因を調べます。
DISEASES
飛び出した椎間板が神経を圧迫し、お尻から脚にかけてのしびれ・痛みを起こす代表的な疾患
背骨の骨(椎骨)の間でクッションの役割を果たす「椎間板」が本来の位置からはみ出し、近くの神経を圧迫することで、腰から脚にかけての痛みやしびれを引き起こす疾患です。椎間板はゼリー状の「髄核」とそれを包む「線維輪」でできており、加齢や長年の姿勢不良、重い物を持つ作業、スポーツの過度な負荷などで線維輪に亀裂が入ると、髄核が外に飛び出して神経を圧迫します。20〜40代の男性に多くみられますが、デスクワークの増加に伴い若年層や女性の発症も増えています。

X線検査で骨の配列や椎間板の狭まりを確認します。ただしヘルニアそのものはX線には写らないため、確定診断にはMRI検査が有効で、飛び出た椎間板と圧迫されている神経の状態を明確に把握できます。
多くの腰椎椎間板ヘルニアは手術をせず、保存療法で改善します。薬物療法(内服薬・湿布)、神経ブロック注射、リハビリテーション(ストレッチ・筋力強化・姿勢指導)、コルセットの装着を組み合わせます。症状が強い場合や、排尿障害・強い筋力低下がある場合は手術が検討されるため、連携する医療機関をご紹介します。
「歩くと脚がしびれ、休むとまた歩ける」——高齢者の脚のしびれ・歩行障害の代表的な原因
背骨の中を通る神経の通り道「脊柱管」が加齢などにより狭くなり、内部を通る神経(馬尾神経や神経根)を圧迫することで、腰から脚にかけてのしびれや痛み、歩行困難などが現れる病気です。加齢や長年の姿勢不良、腰への繰り返しの負担によって、椎間板の膨隆、黄色靱帯の肥厚、椎間関節の変性・骨棘形成、腰椎すべり症の合併などが起こり、脊柱管が狭くなります。中高年〜高齢の方に多く、特に70代以上で有病率が高いとされています。

X線検査で椎間板の狭小化、骨の変形、すべり症の有無を確認します。脊柱管の狭窄部位や神経の圧迫状態はMRI検査で立体的に評価し、骨棘など骨構造の詳細はCT検査で確認します。
まずは保存療法から行います。薬物療法(鎮痛薬・神経障害性疼痛治療薬など)、神経ブロック注射、リハビリテーション(体幹筋トレーニング・ストレッチ・歩行指導)、コルセットなどの装具療法を組み合わせ、多くの方はこれらで症状が緩和します。効果が薄い場合、日常生活に支障が出ている場合、排尿障害がある場合には手術が選択されるため、連携する病院にご紹介いたします。
お尻から足先まで走る太い神経が圧迫・刺激されて起こる神経症状の総称
坐骨神経は、腰から出た神経の束がまとまってできた人体で最も太く長い末梢神経で、お尻の筋肉をくぐって太ももの後ろ〜ふくらはぎ〜足の裏まで伸びています。この神経が何らかの原因で圧迫・刺激されることで、神経の通り道に沿ってしびれや痛み、脱力感が出る状態を「坐骨神経痛」と呼びます。特定の病名ではなく、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、お尻の深部の筋肉が神経を圧迫する梨状筋症候群、腰椎すべり症・分離症などの一症状として現れます。
原因となる疾患を見極めることが大切です。神経学的検査(SLRテストなど)に加え、X線検査で骨の変形やすべりを、エコー検査で梨状筋などの状態を評価します。椎間板の突出や脊柱管の狭窄が疑われる場合はMRI検査、必要に応じてCTや神経伝導検査も実施します。
まずは保存療法を行います。薬物療法(鎮痛薬・神経障害性疼痛治療薬)、神経ブロック注射、理学療法(ストレッチ・体幹筋トレーニング・温熱療法)、骨盤や腰椎の動きの調整・姿勢の改善指導を組み合わせます。保存療法だけで症状が改善する例も多く、生活の質の向上が期待できます。
腰の骨が本来の位置からずれ、神経を圧迫して腰痛や脚のしびれを起こす疾患
腰の骨(腰椎)が本来あるべき位置から前後にずれてしまう疾患です。神経の圧迫を伴うと、腰痛だけでなく脚のしびれや歩行困難などの神経症状も引き起こします。加齢により椎間板や椎間関節が変性して骨がずれる変性すべり症(中高年の女性に多い)と、腰椎分離症に続発して起こる分離すべり症(成長期のスポーツ選手や若年層に多い)に大きく分けられます。
X線検査では立位や前屈・後屈での撮影により、腰椎のずれの有無や動きを確認します。神経の圧迫の程度や椎間板の状態はMRI検査で詳細に把握し、分離の有無など骨の詳細な評価にはCT検査が有用です。
軽度〜中等度では保存療法が中心です。コルセットの着用、薬物療法(消炎鎮痛剤・神経痛の内服薬)、リハビリテーション(腰椎の安定化・体幹筋の強化)、痛みが強い場合の神経ブロック注射を組み合わせ、手術に至らずに改善するケースも多くあります。保存療法でも改善しない場合や、しびれ・麻痺・排尿障害などの神経症状が強い場合は手術が検討されるため、専門医療機関をご紹介します。
椎間板変性症や変形性膝関節症も、脚のしびれ・痛みの原因となることがあります
加齢や反復する運動、重い物を扱う作業などにより椎間板が変性・劣化することで起こる疾患です。主に腰痛を引き起こしますが、神経が圧迫されると脚のしびれや痛みが現れることもあります。
主に加齢によって膝関節の軟骨がすり減り、炎症や痛みが生じる疾患です。膝の痛みだけでなく、脚のしびれや違和感を伴うこともあり、特に中高年の女性に多くみられます。詳しくは「膝の痛み」のページをご覧ください。
脚を走る末梢神経が途中で圧迫されると、その神経の支配する範囲にしびれが出ます
腰椎から分かれる大腿神経が圧迫・損傷されることで、太ももの前面にしびれや感覚異常が生じます。糖尿病性の神経障害や外傷、腫瘍による圧迫などが原因となることがあります。
骨盤の前方(鼠径靭帯の部分)で外側大腿皮神経が圧迫されることで発症し、太ももの外側に「ジンジンする」「ピリピリする」といった感覚異常が出現します。長時間の立位・歩行や、ベルト・きついズボンの締め付けで悪化することがあり、若年から中高年まで幅広くみられます。
膝の外側を通る総腓骨神経が圧迫されることで、足の甲やすねの外側にしびれや感覚低下が起こります。つま先が持ち上がらず歩行時に足が引っかかる「下垂足」が特徴的で、長時間の正座やギプス固定、外傷などが原因になることがあります。
足首の内側にある「足根管」というトンネル内で後脛骨神経が圧迫されることで発症します。足裏のしびれや灼熱感、夜間に強くなる痛みが特徴で、立ち仕事やランニングで悪化しやすい傾向があります。詳しくは「足の痛み」のページをご覧ください。
これらの末梢神経障害では、問診・神経学的検査に加え、X線検査やエコー検査で圧迫の原因を調べ、必要に応じてMRI検査や神経伝導速度検査を行います。治療は原因の除去(姿勢や生活動作の見直し・圧迫の回避)と、薬物療法・理学療法を中心とした保存療法を行います。
整形外科の疾患だけでなく、全身の病気が脚のしびれとして現れることがあります
血糖値が慢性的に高い状態が続く糖尿病の合併症のひとつで、神経の機能が低下し、手足のしびれや冷え、こむらがえりといった症状が現れます。自律神経に障害が及ぶと、立ちくらみ、排尿障害、便秘や下痢などの不調も起こることがあります。血液検査で確認し、内科的な管理が必要な場合は適切な医療機関と連携して対応します。
極端な偏食やアルコール中心の生活を続けていると、神経の働きに必要なビタミンが不足し、神経障害を引き起こすことがあります。疲労感、頭痛、めまい、手足のしびれ、動悸・息切れなど、不足している栄養素に応じてさまざまな症状が現れます。血液検査での確認と、食生活の見直し・ビタミン補充で改善を図ります。